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2009年07月21日

新型インフルエンザ(A/H1N1型)の状況(2009-7/21)

流行情報
・南半球の国々では流行の拡大が続いている。オーストラリアでは7月20日までに13178名の患者が確認されており、うち32名が死亡した。すでに流行はピークに近づいているとの見解もある。
http://www.healthemergency.gov.au/internet/healthemergency/publishing.nsf/Content/updates
チリでは7月15日までに10491名(33名死亡)、アルゼンチンでは7月14日までに3056名(137名死亡)の患者が確認されているが、実際の患者数は両国ともに10万人以上にのぼるものと推定されている。
http://www.cl.emb-japan.go.jp/index_j.htm#3
http://www.nikkei.co.jp/news/kaigai/20090715AT2M1500515072009.html
・米国やカナダではようやく流行が鎮静化している模様である。米国では7月17日までに確認された患者数が4万人以上にのぼっているが、CDCのインフルエンザ週報(7月17日発表)によれば、7月以降の定点から報告された新型インフルエンザ(A/H1N1型)の患者数は大幅に減少している。
http://www.cdc.gov/flu/weekly/
カナダでも7月15日までに保健省が確認した患者数は1万人以上であるが、入院患者の推移をみると6月中旬以降は減少している。
http://www.phac-aspc.gc.ca/alert-alerte/swine-porcine/surveillance-eng.php
・英国では7月になっても流行拡大が鎮静化しておらず、7月15日までに10649名の患者が確認された。1週間で5000名以上の新規患者が確認されたことになる。また死亡者も26名にのぼっている。
http://www.hpa.org.uk/webw/HPAweb&HPAwebStandard/HPAweb_C/1247728933406?p=1231252394302
・日本国内でも流行は拡大を続けており、7月20日までに患者数は4138名となった。毎日150名前後の新規患者が確認されており、患者の多くは海外渡航歴のない国内感染例である。
http://www.mhlw.go.jp/kinkyu/kenkou/influenza/houdou/2009/07/dl/infuh0720-02.pdf


対策情報
・7月16日にWHOは患者数報告のシステムを見直すことを発表した。すでに流行はパンデミックの状態にあり、各国の患者数を表示する必要性はないとの判断である。今後は新規発生国の表示をする予定だ。また、すでに流行が発生している国には、通常の季節性インフルエンザと同様の報告を求めている。これから先は、ウイルスの病原性についての監視や、季節性とA/H1N1型ウイルスの検出比率に関する監視などが必要になってくるだろう。
http://www.who.int/csr/disease/swineflu/notes/h1n1_surveillance_20090710/en/index.html・中国では国内での流行拡大にともなって水際対策が縮小される模様である。北京などの空港では7月16日より機内検疫が中止されている。また韓国でも患者の隔離などの封じ込め対策を見直す方針である。
http://www.cn.emb-japan.go.jp/consular_j/birdflu090716.htm
http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=118125&servcode=400§code=400


学術情報
・東京大学の河岡教授らは、1918年以前に生まれたグループの血清に、今回流行しているA/H1N1型ウイルスの中和抗体が存在するとの研究結果をNature誌電子版(09-7-13 online )に発表した。1918年はスペインインフルエンザが流行した年であるが、そのウイルスと今回のA/H1N1型ウイルスが近縁であることを示唆している。なお、米国CDCは60歳以上の血清に中和抗体が存在するとの報告をしており、今後のさらなる解析が期待される。
http://www.nature.com/nature/journal/vnfv/ncurrent/pdf/nature08260.pdf


コメント
日本や英国では夏の季節になっても患者発生が衰えることなく続いている。とくに英国では患者数が急増している模様だ。日本でも患者数がさらに増えると、重症患者や死亡者の発生がおこるだろう。現在の流行レベルを維持しながらワクチンの流通が図れれば理想的であるが。

                                                 (文責 濱田)